ある日の冷蔵庫前 飴細工の二人



黄「何やってんだ,アンタは.」

青「・・・柔軟.(一瞥もくれずに股関節を180度に開きつつ,上半身を右側に寝かす)」

黄「声帯鍛えずに,股関節の柔軟性増してどうすンの.(呆れたようにソファに座ったまま,踏ん反り返って天井を仰ぐ)」

青「筋肉が伸びないと,気持ち悪い.声帯鍛えるのの『代わり』.」

黄「はァ?代わりになるわきゃないだろ.(片眉を跳ね上げ,ソファから立つと,ペタペタと音をさせてフローリングを台所に向かって歩く)」

青「何も入ってないけど?(いいながら,踵を使ってぐいぐいと足を這わせるように器用に股関節を元に戻し長座姿勢へ.)」

黄「へぇ.何も・・・ねぇ?(ニヤつきつつ,カップアイス取り出して,ぷしゅ,と開封)」

青「(音に反応して)って,それ僕のだって!つーか最後のっ!(目を見開いて,姿勢を精一杯ただし,黄色いのの動きを確認)」

黄「残念.もう開いちまった.」

青「(慌てて立ち上がり,冷蔵庫へペタペタと移動.身長差を利用して,上からアイスを取り上げようと手を伸ばす.)」

黄「(スプーンを咥えたまま,しゃがんで交わす)」

青「ちょっ!」

黄「んー!」

青「ったく!遊んでるンじゃないっての!」

黄「んーーッッ!!」

(暫し,揉み合う・・・・が,黄が青の胸の上に斜めにのし掛かって,一時休戦.)

黄「もう息あがってンの?年?(と,言いながら,揉みくちゃになったカップからスプーンで一口分すくって,口に入れる)」

青「・・・クソガキ.」

黄「んー?なンか言った?(ニヤ,と笑いながら,もう一口分,口に運びんでから,青の顔の横に,ダン!と音をさせて片腕を付く)」

青「・・・.(恨めしげに,スプーンを眺めるが,突然勢いよく顔を近づける黄に吃驚して両目を見開く)・・・っっ!!ふ・・・・ゥ・・・ンッ!」

黄「(顔を上げて,青を見下ろしながら)クッ・・・・,クックックッ・・・!(肩を震わせてそのまま笑い続ける)で?冷たい?・・・それとも,熱い?」

青「・・・クソガキ.」


終。
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